ショートレクチャー

  • ◇「できる」「あきらめなくてもいい」を実現するモノづくり
    川村慶
    (川村義肢株式会社 代表取締役 / 一般社団法人 日本車椅子シーティング協会 副代表理事)

     我が社は義肢装具をはじめ福祉用具の製作適合を生業としています。障害者や高齢者に限らず、アスリートやスポーツ愛好家も大切なお客さまです。しかし、それらは手段に過ぎず、「あきらめなくてもいい」を買っていただいているのが会社の目的です。“技能はもちろん優れているが、その人が持つ心の状態がその作品にも反映し、人を感動させ、感銘を与えるようなすばらしいものをつくる。それが、名人、達人です(稲盛和夫)”これは私の大好きな言葉であり、日々精進して磨き続けているモノづくりマインドであります。その事例をいくつか解り易く紹介させていただきます。

  • ◇日本一補助犬使用者にやさしい街づくり
    剣持 悟
    (川村義肢株式会社 製造本部 係長(エンジニア))

     大阪府大東市では補助犬の普及啓発を目的として介助犬のひろばというイベントを2013年より実施してきた。市民向けの講演会や補助犬のデモンストレーションを軸に、駅周辺の施設店舗のバリアフリー情報をまとめた北河内ユニバーサルマップの発行事業や小学生向けの介助犬体験教室を市内全小学校に実施した。今年度はマップのWEB化と第13回学術大会開催を記念して、スタンプラリーを計画しており、多くの市民の参加が期待されている。

  • ◇義肢装具の歴史(川村義肢歴史展示室紹介)
    剣持 悟
    (川村義肢株式会社 製造本部 係長(エンジニア))

     義肢とは病気やケガなどにより失われた手足の機能と形を復元するため装着、使用する人工の手足のことである。日本における義肢の歴史は明治から始まり、当時の切断者は戦傷者が多かった。陸軍病院が中心となり開発された鉄脚義足は心身の訓練方法とともに、戦傷者の社会復帰に大きく寄与することになる。戦後は、畳の上での生活様式に合わせて、正座式義足や作業用義足など独自の進化を遂げてきた。その歴史の一部を紹介する。

  • ◇ほんまはどうなん?障がい者の就労と雇用(仮称)
    大屋正子
    (川村義肢株式会社 事業開発本部 地域事業開発課 主任)

     川村義肢で働く社員は実に多様である。自閉症、発達障害、知的障害、身体障害、外国人等。当社には身体に障害のある社員自らが、技術者となり時にはユーザーとなり、義肢装具や支援機器の品質を高めてきた歴史がある。多様な障害ある社員と働くことで生み出された改善、技術提案、デジタル化は、製造工程の時間短縮や不良品・ミスの削減へと繋がった。当社の就労事例を紹介しながら、本当の「障害」は何処にあるのかを問うてみたい。

  • ◇地域で闘う理学療法士たち
    石川智昭
    (株式会社スイッチオンサービス / 日本理学療法士連盟 中央役員 企画局長 / 兵庫県理学療法士連盟 会長)

     皆様におかれましては、理学療法士という仕事はご存知でしょうか?この学会に参加される方におかれましては、ご存知の方も多いことと察します。しかしながら、その多くの方は、【リハビリテーション専門職】という大枠で括られている方が多いのが現状ではないでしょうか。確かに、リハビリテーション専門職ではありますが、理学療法士というのは、リハビリテーションの場面だけではなく何ができるのか?何を求められているのか?ということを知って頂く機会にしたいと思います。

  • ◇自宅でイキイキ☆体も心も軽やかにドッグヨガ‼️
    野口裕美
    (四條畷学園大学 リハビリテーション学部 作業療法学専攻 教授(理学療法士、作業療法士))

     新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、感染拡大防止、予防の目的で外出の自粛、他者との接触を制限しながらの生活を余儀なくされていると思います。この不活発な生活は、今後も続くことが予想され、新しい社会での新たな方法の受け入れながら、感染予防と活動のバランスをとりながら心身ともに健康を維持することが大切です。今回の「ドッグヨーガ」は「愛犬とポーズをとること」ではありません。「愛犬と呼吸をあわせること、愛犬とのコミュニケーション・絆の深まり」に少しでもお役に立ててもらえたらと思います。日本ドッグヨーガ普及協会のご協力のもと準備致します。是非、ご参加お待ちしております。

  • ◇Dog Intervention〜AAA/AAT、付添犬など〜の取り組み
    水上言
    (社会福祉法人 日本介助犬協会 訓練センター長)

     日本介助犬協会では、介助犬による肢体不自由者への支援にとどまらず、この数年の間に新たな取り組みとして、犬の介入による支援を必要とされる方々に対して始めています。Dog Intervention(=犬の介入)というプロジェクト名で、病院でハンドラーと共に動物介在療法を行うファシリティドッグの養成や、司法の場で、虐待や性被害にあい辛い体験を語らなければならない人(主に児童)に寄り添う付添犬の派遣などを行っています。

  • ◇身体障害者補助犬で繋がる 理学療法士、作業療法士のネットワークの構築
    吉田文
    (大阪保健医療大学 保健医療学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 教授(作業療法士))

     皆さん、身体障害者補助犬の育成に作業療法士(以下、OT)、理学療法士(以下、PT)が関係あることはご存知でしょうか?身体障害者補助犬法施行規則では、介助犬訓練事業者は、OT、PTと連携をとり適切な介助犬を育成することと定められています。今、訓練事業者がOT、PTとの連携を希望した時に連絡できる窓口を作ること、そしてOT、PTが介助犬育成における役割を理解し協力することが求められています。ぜひ、介助犬育成におけるOT、PTのネットワークづくりにご協力ください!