会長挨拶

第32回
日本小児外科QOL研究会
会長 増本幸二
(筑波大学医学医療系小児外科学 教授)

 この度、第32回日本小児外科QOL研究会を10月15日(土曜日)に、つくば国際会議場で開催させていただくこととなりました。伝統ある本研究会を担当させていただき、大変光栄に存じます。
 本研究会の筑波大学主催での開催は今回が初めてです。また私の出身の九州大学関係では、水田祥代先生(第4回)、長嵜 彰先生(第15回)、窪田正幸先生(第20回)、田口智章先生(第24回)が会長をされています。私にとっては恩師の先生方も開催されており、本研究会を開催するにあたって身が引き締まる思いです。
 これまで本研究会では、小児外科患児のQOLを高める研究や知識の交流が行われてきました。これからは、今までももちろんやられてきましたが、より広い領域に対し、小児外科が絡んだQOLを高める治療が必要となってくると思います。また、昨年9月に医療的ケア児支援法が施行されました。この対象となる患者の主体は重症心身障害児(者)だと思われ、そのQOLを高める治療にも、われわれ小児外科医が大きく関わっています。そこで今回は、本研究会の主題を「障害児・者のQOLを高める外科治療」といたしました。
 一般演題は主題に関係なく、自由に演題発表していただき、主題に関する演題も発表していただければと思っております。教育講演には、主題に関係したご講演を2つお願いしています。1つは長らく障害児・者の治療にあたってこられた、茨城県立医療大学病院前院長の岩崎信明先生に、「運動機能障害児の栄養」というタイトルでご講演いただきます。また、もう一つのご講演は、障害児・者のご家族の生の声を聴く機会として、当大学で治療を受けておられるお子様のお母様である倉知昌代様に「今を生きる」というタイトルでお話しいただくことにしています。
 コロナの感染状況が月ごとに変わり、研究会開催の時期でどのような開催形式がよいか悩ましいですが、今のところ、今回の研究会はつくばの地での現地開催をしたいと思っております。有意義な研究会となることを願っております。どうか多くの医師、看護師、保育士やチャイルドライフスペシャリストの方々のご演題応募とご参加とお願いいたします。