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拝啓
 第36回日本神経心理学会総会を、2012年9月14日と15日学術総合センターにて開催いたします。テーマは「神経心理学このままでいいのか いけないのか」です。神経心理学会の設立の様子を伝える文章を読むと、これから新しい分野を設立しようという気概が感じられ、その熱意に頭が下がる思いがいたします。それからすでに30年以上がたち、この方法で行っていけばいいというようなやや冷めた雰囲気が蔓延していると思うのは私だけではないでしょう。今年の神経心理学会総会では、神経心理学の方向はどうあるべきかに思いをはせることが必要と考え、このテーマを選びました。会長講演もそれに沿って行う予定です。また2日目に「神経心理学会にのぞむ」という題でシンポジウムを行います。日本神経学会から水澤英洋先生、日本脳卒中学会から小林祥泰先生、日本リハビリテーション学会から江藤文夫先生にご登場いただき、神経心理学学会、あるいは神経心理学について各分野の先生はどうみているか、またその今後について提言をしていただこうと思い、シンポジウムを企画しました。
 今後の神経心理学では、分子、遺伝などに代表される分析的思考、定量的評価ではなく、社会、環境、アートなどにまたがる新たな視点が必要であると思います。特別講演をしていただきます認知科学者の佐伯胖先生には、認識の根源となる「共感」という題でご講演いたくことになりました。先生が長年提唱されている物事を見る新しい視点についてお話下さると思います。今から私もわくわくしております。また解剖学者の坂井建雄先生から、「人体観の変遷 脳のみかた」という題でご講演いただきます。私どもを神経心理学的症状とそれを引き起こす脳の部位とのわかりやすい関係を知ろうとしています。脳に対する見方が時代時代でいかに変わってきたのかを知ることができる絶好の機会です。また教育講演として矢倉英隆先生にお願いしました。先生は、免疫学を基礎にして哲学を勉強された方です。先生は最近雑誌「医学のあゆみ」に「パリから見えるこの世界」という連載をされていますので、そちらもぜひお読みください。私どもは哲学者から、ことにあたっての正しい考え方を学ぶ必要があります。今回「神経心理学を哲学する」という題で先生はお話されますが、学会員の西川隆先生にもお話に加わっていただきます。
 神経心理学会総会は年一回行われ、この分野の進歩について知るたいへんよい機会となっています。長年チンパンジーの音声を研究してこられた小嶋祥三先生に「音声言語とチンパンジー」と題する講演をしていただきます。神経心理学の1つの重要なテーマは言語に対する深い見方をお話いただけると思います。またシンポジウムの演題として「手と脳」「目と脳」を選びました。「手と脳」では、手の整形外科の黒島永嗣先生、サルの頭頂葉の運動制御を研究されている村田哲先生にお話しいただきます。また「目と脳」では錯視を心理学の立場から研究されている北岡明佳先生、神経心理学の立場で錯視を研究されている平山和美先生にお話しいただきます。異なる分野の先生による興味深いお話とまた会場の皆を含めての討議をお見逃しなく。
 神経心理学の今後を考えると、自らの立場を強く主張するためにも、自分たちの学問を深く掘り下げることが大事です。今回神経心理学レッスン「神経疾患における神経心理症状の診かた」を開きます。我が国を代表する神経心理学の専門家である、本村暁先生、板東充秋先生、松田 実先生、山口修平先生、前田眞治先生、佐藤正之先生という錚々たるメンバーが、失語、失行、認知症、前頭葉症状、半側空間無視、失認につきわかりやすく解説します。この神経心理学レッスンは、土曜日に開かれます。非会員の方でこのレッスンだけに参加したいという方も募集いたします。その方々は、参加費5000円にしたいと思っています。お知り合いの方にぜひご紹介ください。
 最後になりましたが、多くの方に演題を登録していただきました。本当にありがとうございました。会の成功は、準備したものの功績ではないと思っています。参加してくださる方々の、この領域を進めようとする熱意によると思います。9月のまだ少し暑い東京で、熱気あふれる会となりますよう願っております。皆様とお会いできるのももうすぐです。

敬具