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日 程 表
  日程表:11月23日(土)第1日目
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  プログラム:11月23日(土)第1日目
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企画プログラム概要(敬称略)
 

11月23日(土)10:00~10:50
鼎談「チームとは何か」

  座長: 鮎澤 純子(九州大学大学院医学研究院)
  演者: 山口 裕幸(九州大学 大学院人間環境学研究院 大学院人間環境学府 教育学部)
    趣旨目的
    医療事故を未然に防ぐにはどうすれば良いのか、1人がエラーを犯しても他のメンバーが素早くブロック、あるいはリカバーすれば大事に至らないことは多々経験する。そうしたブロックによる未然防止、何らかの事象発生後にリカバーする際に力を発揮するのがチームワークであろう。
ならば職場のチームワークを育成・強化するにはどうすれば良いか。チーム・コンピテンシー、チーム・レジリエンス、チーム・アダプタビリティとは何か。チームパフォーマンスをあげるためにはどうすればいいか。実際に病院において社会心理学的な研究をされている講師にご講演をいただく。そして会員からの質疑を通して「チーム医療」を進化させる具体的な方策を検討したい。

 

11月23日(土)14:20~16:10
シンポジウム1「『医療質安全学』の確立~医療の質・安全に関する知識体系(BOK)の開発~」

  座長: 鮎澤 純子(九州大学大学院医学研究院)
  演者: 「私が考える医療質安全学の知識体系~学会誌編集委員長の立場から~」
 小泉 俊三(財団法人東光会七条診療所 佐賀大学名誉教授)
  演者: 「私が考える医療質安全学の知識体系~●副題●~」
 上原 鳴夫(東北大学大学院 医学系研究科国際保健学分野)
  演者: 「私が考える医療質安全学の知識体系~看護の立場から~」
 嶋森 好子(公益社団法人 東京都看護協会)
  演者: 「私が考える医療質安全学の知識体系~品質の専門家の立場から~」
 飯塚 悦功(東京大学大学院)
    趣旨目的
    本学術集会の歴代大会長をシンポジストに迎えて昨年実施した「医療質安全学のBOK開発」の第2弾として、おもにBOK(Body of Knowledge、知識体系)の構造、コンテンツ概要を巡るラウンドテーブル形式の議論を展開する。「学会としての医療質安全学テキスト」のイメージの構造的可視化を当面の目標としたい。掲題に関わる、医療の質・安全学会の社会的使命は、学会の設立趣旨、本主題に対する社会ニーズの高まり、本学会関係者の意識の高まりを鑑みるに、あまりにも明らかである。いままさに、医療の質・安全学会は、社会技術としての医療」を具現化するための基盤としての「医療質安全学」とも呼ぶべき「学の体系」の確立が求められている。この社会ニーズを踏まえて、理事会は、医療の質・安全に関する教科書の作成に学会として着手する、と決めた。本シンポジウムは、その活動の進捗状況を確認し、関係者の眼前にBOKのイメージを提示し、多くの関係者による本格的な議論を開始する契機としたい。本シンポジウムでは、4名の演者に、それぞれの立場から、「私が考える医療室安全学の知識体系」と題して、BOKの構造案を、その根拠、ねらい、思いなどともに提示していただき、それらの案を巡って、シンポジスト間の議論、会場を交えた議論を展開する。さらに、今後の議論の進め方、本学会における合意形成プロセスについても議論をする。

 

11月23日(土)10:00~12:00
シンポジウム2「医療機器に関わる医療現場でのフラストレーション -競争の中の協力-」 

  座長: 長尾 能雅(名古屋大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部)
  座長: 飯塚 悦功(東京大学名誉教授)
  演者: 「行政からの支援について」
 藤田 倫寛(厚生労働省医薬食品局審査管理課 医療機器審査管理室)
  演者: 「医療機器に関する実際のトラブルと改善の経験:医療者から」
 安田 あゆ子(名古屋大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部)
  演者: 「医療機器に関する実際のトラブルと改善の経験:メーカーから」
 三田 哲也(日本医療機器産業連合会PMS委員会)
  演者: 「医療機器を取り巻く精度環境の改善について」
 飯田隆太郎(日本医療機器産業連合会 法制委員会)
    趣旨目的
    医療技術の発展は日進月歩である。医療安全の展開において、安全性に軸足を置いた医療機器の開発や、安全な使用方法の教育といった、いわゆる「医療機器の安全管理」は最重要課題の一つであり、医療現場と開発企業側との強い連携が求められている。しかし、両者の相互理解は十分とは言えず、医療現場には以下のようなフラストレーションが蔓延している。
1.医療安全上の問題を製造メーカーやPMDAに報告しても、迅速に改善されない
2.あるメーカーで開発された安全機能が、遅々として他社製品に搭載されない。
3.添付文書を事前に熟読して使用することが難しく、アクシデント発生後に使用上の非を指摘されることになる。
4.リユースの禁止など、添付文書に求められていることは知っていても、それを遵守できない実情がある。
医療者の多くは、これらの問題を“利益追求を是とする企業姿勢の悪影響の結果”としてとらえている。一方、企業側は、様々な法的規制や、添付文書を軽視する医療者側の実態などについて無力感を感じている。そこでこれらの課題を共有すべく、昨年、第7回医療の質・安全学会において「医療機器に関わる医療現場でのフラストレーション-競争の中の協力-」と題したシンポジウムが開催された。シンポジストとして、医療機器の安全管理に精通した医療者2名と製造者2名が招かれ、上記の課題について議論が行われた。その結果、これらのフラストレーションは決して関係者の怠惰やモラルの低下に起因するものではなく、過剰規制や財源不足を含めた様々な要因が関与していることが共有された。また議論の中で、
①安全な医療機器開発に向けた規制緩和と薬事法の柔軟な運用
②事故防止機能搭載に向けた経済的支援と知財的インセンテイブの確保
③添付文書の電子管理
④内視鏡など、ターゲットを絞ったリユースの試行
⑤リユースに向けたガイドライン作成
⑥リユース許容による財源確保
など、解決に向けたいくつかの提案が行われた。そして、産・官・学がこれらを共有し、継続的に打開策を検討していくことが重要であると結論された。これらの経緯を踏まえ、医療の質・安全学会では、本年度も継続として同シンポジウムを開催する運びとなった。シンポジストとして医療安全管理の専門医師、日本医療機器産業連合会役員、そして今回新たに厚生労働省医薬食品局審査管理課からの御参加をお願いした。言わずもがなであるが、“医療現場のフラストレーション”により不利益を被るのは患者である。情報共有から1歩前進し、課題解決に向けた具体的で発展性のある議論を展開したいと考える。

 

11月23日(土)16:30~18:00
シンポジウム3「真実説明と謝罪を普及させよう」 

  座長: 埴岡 健一(東京大学公共政策大学院医療政策・研究ユニット客員教授)
  演者: ハーバード大学医学部関連病院の視察で学んだこと(仮題)
 伊藤 雅治(社団法人全国社会保険協会連合会)
  演者: 「日赤病院における真実説明活動(仮題)」
 矢野  真(日本赤十字社 事業局)
  演者: 「全社連における真実説明・謝罪活動の今後(仮題)」
 遠田 光子(全国社会保険協会連合会 患者安全対策室)
  演者: 「患者・医療事故被害者から見る真実説明(仮題)」
 赤羽 幸生(陣痛促進剤による被害を考える会)
  演者: 「有害事象発生時の説明のあり方(仮題)」
 大坪 寛子(厚生労働省 医療安全推進室)
    趣旨目的
    医療有害事象が発生した時に、医療側がどのように対応すべきか。社会保険病院グループはハーバード大学関連病院の「When Things Go Wrong,Responding To Adverse Eveey」を参考に、「有害事象対応指針~真実説明・謝罪指針~」を作成し、2008年以降グループとして取り組んできた。その結果、示談・和解による解決の割合の増加、医師賠償責任保険の保険料の低下等の変化がみられた。また、昨年10月にパーバード関連病院グループを訪問した結果、真実説明と謝罪により訴訟案件の減少、事例解決の所要機関の短縮、処理費用の大幅な減少等が報告されていることを学んだ。このような効果がある対応指針をわが国の医療機関全体にいかに広げていけるのか。ハーバード大学関連病院グループ、社会保険病院グループ、日本赤十字社病院等での取り組みを紹介したうえで、有害事象発生後の病院の対応のあり方をテーマにディスカッションする。

 

11月23日(土)10:00~12:00
シンポジウム4「医療対話と相談支援のための組織間連携と人材養成の工夫」

  座長: 石川 雅彦(地域医療振興協会地域医療安全推進センター)
  座長: 原田 賢治(東京農工大学 保健管理センター)
  演者: 渡邊 清高(国立がん研究センター)
  演者: 幸田 有子(秦野赤十字病院)
  演者: 東  健一(横浜市医療安全支援センター 横浜市健康福祉局医療安全課)
  演者: 武山ゆかり(豊島区在宅医療相談窓口)
  演者: 水木麻衣子(東京大学医療安全管理学講座)
    趣旨目的
    患者からの相談に答え、苦情への対応を行い、さらに患者への情報発信・啓発の活動を行っていくことは、医療と患者の連携と信頼を築き患者の満足度や納得感を高めるために不可欠のことである。しかしこのためには、コミュニケーションの技術の訓練が必要であり、その訓練を組織的におこなっていくための体制が必要である。現在、がん患者とその家族に対する相談と支援を行っていく仕組みとして、 がん診療連携拠点病院に相談支援センターが設けられており、国立がん研究センターを中心として、組織づくりのための研修活動等がおこなわれている。また、患者の相談や苦情全般に対応する体制を充実することについては、平成24年から、患者サポート体制充実加算が設けられ、施設基準として (1)患者相談窓口を設置し、患者 に対する支援の充実につき必要 な体制が整備されていること、(2)当該窓口に、専任の看護師、 社会福祉士等が配置されている こと、が設定されている。さらに、都道府県、保健所設置市区、2次医療圏などの自治体組織にも、患者相談・苦情対応や住民啓発などを行うために、医療安全支援センターが設けられており、自治体の担当者を支援するための活動(医療安全支援センター総合支援事業)が行われている。それぞれどのような活動が行われているか、どのように人材養成が行われているかの取り組みを概観し、「医療対話」や組織間の連携について掘り下げて考えていきたい。

 

 

11月23日(土)14:20~16:20
シンポジウム5「改善のための質評価 -質評価指標の組織的活用-」

  座長: 若尾 文彦(独立行政法人国立がん研究センター がん対策情報センター)
  座長: 新海 哲(国立病院機構四国がんセンター (名誉院長) 医療法人社団 康心会 湘南東部総合病院)
  座長: 福村 文雄(株式会社麻生 飯塚病院 医療安全推進室)
  演者: 「国立病院機構診療分析部で提供している臨床指標群による質評価と改善(指標・方法論の開発)」
 伏見 清秀(国立病院機構 総合研究センター診療分析部)
 本橋 隆子(国立病院機構 総合研究センター診療分析部)
  演者: 「国立病院機構診療分析部で提供している臨床指標群による質評価と改善(活用事例)」
 手島 伸(国立病院機構 仙台医療センター TQM推進室・外科)
  演者: 「がん診療体制の質評価指標による質評価と改善(指標・方法論の開発」
 水流 聡子(東京大学大学院工学系研究科 医療社会システム工学寄付講座)
  演者: 「がん診療体制の質評価指標による質評価と改善(活用事例)」
 清水 秀昭(栃木県立がんセンター)
 尾澤 巌(栃木県立がんセンター)
  演者: 青儀健二郎(四国がんセンター  乳腺外科)
  演者: 尾崎  仁(群馬県立がんセンター)
    趣旨目的
    医療の質を評価することが,医療安全の側面・倫理的側面・費用対効果の側面等から,重視されており,臨床指標開発・質評価指標開発の研究が多数すすめられている.質評価の目的が改善であることを考えると,「改善のための質評価とするためのしくみ」が重要となる. 個々の病院で多数の臨床指標や管理的指標を用いて,自院の実態を把握しようとする試みが展開されている.経年変化等で自院だけの質の推移・改善目標の達成状況が確認できることは,改善に向けた活動を展開する上で有用である.しかしながら自院だけのデータで実施できる自己評価には限界があり,全体における自院の位置が不明である.より多くの組織と協働して同じ「物差し」を用いて比較する相対評価がより有効であると考えられる.さらにあるべき姿・基準値といったものが存在した場合には,それらと自院との差異(基準からのずれ)を特定することで,問題はより明確になり,改善の方向性も自然と導出され,組織的合意形成が効率的にすすむ可能性が高くなる.現状では,個々人や各病院で質評価を実施しているが,比較対象がないか少ないため,問題特定が難しく,それが改善活動の推進を阻害していると考えられる.病院群としての組織的な質評価体制づくりが重要となる.研究開発としてやるべきことは,病院群として活用することが各病院にとっても大きな利益となることを実感できる質評価指標開発とその活用モデル開発である.質評価指標の開発と,活用のための方法論開発を,組織的に同時に実施することで,実現可能性の高い,よりよい改善システムが早期に設計でき,質評価指標を組織として活用していくしくみづくりにつながる.本シンポジウムでは,国立病院機構病院群と,がん診療連携拠点病院群で展開されている,質評価指標開発研究事例とそれぞれの組織的活用事例を紹介する.これらの事例を通して,有用な質評価指標の開発,それらの効果的な活用方法,そして組織的な活用を可能とするシステム設計等について,議論を行う.参加者にとって本シンポジウムが,質評価指標の組織的活用の重要性について認識を深め,質評価・改善活動の組織的推進が強化されるやり方を検討する機会となることを期待する.

 

 

11月23日(土)16:30~18:00
シンポジウム6「医療の質・安全と情報処理技術」

  座長: 古川 裕之(山口大学大学院医学系研究科)
  演者: 近藤 博史(鳥取大医療情報部)
  演者: 武田  裕(滋慶医療科学大学院)
  演者: 太田 吉夫(香川県立中央病院)
  演者: 川上 浩司(京都大学薬剤疫学分野)
    趣旨目的
    電子カルテシステムの導入が進んでいるが、医療の質・安全に寄与しているという評価の一方で、電子カルテによる患者安全上の問題も指摘されている。本シンポジウムは1)診療記録の観点からみた、わが国における電子カルテシステムの現状と課題、2)電子カルテの量的・質的監査の試み、3)電子カルテと臨床指標(clinical indicator)・質指標抽出の試み、3)電子カルテシステムと意思決定支援、4)米国における電子カルテシステムの動向、とくにシステムによるインシデントへの対応について発表を行い。医療の質・安全の観点から、わが国の電子カルテのあり方を総合討論する。

 

 

11月23日(土)10:00~11:30
シンポジウム7「医療安全と感染管理」

  座長: 兼児 敏浩(三重大学医学部附属病院 医療安全・感染管理部 副部長)
  座長: 鳥谷部真一(新潟大学医歯学総合病院 医療安全管理部長/病院長補佐)
  演者: 「感染対策に安全管理部門が絡んで欲しいとき ~日常業務からパンデミックへの対応まで~」
 大曲 貴夫(国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター)
  演者: 「介護施設における安全対策・感染対策 ~どちらも私が責任者!~」
 加藤佳代子(介護老人保健施設 ハートケア左近山)
  演者: 「アウトブレイク時における安全部門と感染部門の連携~VREアウトブレイクの経験から~」
 柴原美也子(藤沢市民病院 医療安全対策室)
  演者: 「院内感染で患者死亡!これは医療事故か?~患者側弁護士の立場から~」
 横山 貴之(増田・横山法律事務所)
  演者: 「安全対策と感染対策の連携の必要性~組織ガバナンスの観点から~」
 相馬 孝博(日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院)
    趣旨目的
    質の高い医療を提供するためには医療安全部門と感染対策部門の連携・協力は不可欠である。感染対策は広義の医療安全の一構成要素であり、アウトブレイク時はもちろん、平時においても両部門の業務は密接に関連している。しかしながら、いわゆる”縦割り”の状態で両部門の連携が必ずしも円滑でない状況も見受けられる。たとえば、注射の準備から実施にいたる手順は安全管理マニュアルに記載されているが、この手順には手指消毒等の感染対策の手順が記載されていることは少ない。また、感染対策は一般に安全対策よりも歴史が古く、多くのエビデンスも蓄積されていることから、サイエンスとして確立している感があるが、安全管理はサイエンスという点では発展途上にあり、安全管理者は時にガイドラインやエビデンスが確立している感染対策業務を”うらやましい”と感じることがある。しかしながら、両部門は多大な経費を必要とするにも拘わらず直接的な収益をもたらす部門でないという点は共通しており、施設によっては”肩身のせまい活動”を余儀なくされている可能性もある。以上のような現状を鑑みて、本シンポジウムは、近そうで必ずしも近いとは限らない両者のあり方について多面的に検討し、安全対策・感染対策の最前線の現場で奮闘しておられる皆様の一助となることを目的とする。そして、施設の規模に応じた両部門の関係のあり方について有益な発信ができれば幸いである。

 

 

11月23日(土)14:20~16:20
シンポジウム8「低侵襲医療における合併症(有害事象)を減らすために必要なしくみ」 

  座長: 大川  淳(東京医科歯科大学大学院整形外科学)
  座長: 本間  覚(筑波大学附属病院 臨床医療管理部)
  演者: 浅井 望美(国立がん研究センター中央病院)
  演者: 関川 智重(四谷メディカルキューブ(臨床工学技士))
  演者: 櫻井 俊之(国立国際医療研究センター 消化器内科)
  演者: 高橋  淳(横須賀共済病院(心臓カテーテル専門医))
  演者: 赤羽 正章(東京大学医学部附属病院放射線部(IVR専門医))
  演者: 横田 美幸(がん研究会有明病院麻酔科部長)
    趣旨目的
    内視鏡手術や血管内治療の技術的進歩 により、手術室で行ういわゆる手術以外にも、患者に対して直接的な侵襲が加わる医療行為が多くなってきた。こうした治療は、従来型の大きな皮膚切開を伴わない、いわゆる患者 に優しい「低侵襲治療」として扱われるが、一方で術中・術後にひとたび合併症 が発生した時に早期発見と適切な対応をしないと大きな事故につながる可能性を秘めている。担当する医師も、外科系の医師のみ ならず、内科系や放射線科の医師も参画し、内科・外科の別なく領域別の専門性が確立しつつある。また、同時に、外来・短期入院の患者ケアや、低侵襲治療における医療機器の利用には他職種の医療職員の協力が不可欠であることはいうまでもない。とすれば、こうした低侵襲医療に求められる患者安全 については、診療科名で分類される外科系医師にとどまらず、従来内科系とされてきた診療領域に携わる医師やそれに協力する医師以外の医療職員を含めて考える必要がある。そこで、本ミニシンポジウムではこうした低侵襲治療に携わる医師および看護師、臨床工学技士を交えて、手術室内および手術室外 で行われる低侵襲医療に伴う合併症を低減させる工夫、技術教育、手順、コメディカルの協力などに ついて議論する。シンポジストとして、看護師、臨床工学技士、消化器内科医(内視鏡専門医)、循環器内科医(心臓カテーテル専門医)、放射線科医 (IVR専門医)、麻酔科医(ペインクリニック医)を予定している。

 

 

11月24日(日)9:00~10:30
シンポジウム9「シンポジウム:チームの安全を支えるノンテクニカルスキル~概念・訓練・実践」

  座長: 橋本 重厚(福島県立医科大学附属病院)
  座長: 中島 和江(大阪大学医学部附属病院)
  演者: 種田憲一郎(国立保健医療科学院(WHO西太平洋地域事務局) 医療・福祉サービス研究部)
  演者: 米井 昭智(倉敷中央病院)
  演者: 岩村 正嗣(北里大学医学部 泌尿器科)
    趣旨目的
    ヒューマンファクターズ、ノンテクニカルスキル、チームステップス等の概念(例えば、ノンテクニカルスキルとチームステップスの関係を明確にする)や内容を明らかにし、代表的な教育・トレーニング方法、臨床での実践例を共有する。

 

 

11月24日(日)9:00~11:30
シンポジウム10「医療事故調査活動と医療安全」

  座長: 樋口 範雄(東京大学 法学部)
  座長: 児玉 安司(東京大学 医療安全管理学)
  演者: 木村 壮介(国立国際医療センター 病院長)
  演者: 長尾 能雅(名古屋大学附属病院 医療の質・安全管理部)
  演者: 本間  覚(筑波大学医学医療系 臨床医療管理学)
   特別発言1:永井裕之(医療の良心を守る市民の会)
   特別発言2:日留川基支子(医療安全調査機構東京地域事務局調整看護師)
    趣旨目的
    現在どこの病院もアクシデントの原因を分析し、再発防止策を集積する体制を整えている。しかるに、患者が医療に関連して死亡した場合に、死因を究明して再発防止策を集積するというシステム作りは、国レベルではなかなか進まなかった。このたび医療関係者の議論がついに一定の結論に収束し、ひとつの形になる可能性が見えてきた。第三者機関に届け出た上で、院内事故調査を行い、その調査結果を第三者機関に報告するという形である。遅ればせながら全国の死亡事故の調査結果が第三者機関に集積されることは、本邦の医療安全が向上するため大きな前進となるに違いない。
なお、次のような課題がある。あ)本邦で死因究明に費やせる資源や予算は限られており、解剖医や専門医を確保できない病院があるかもしれない。い)調査の客観性、中立性、公正性が調査毎に異なるかもしれない。う)調査結果の適切な使い方。これらを誰がどのように担保するか?一方で本邦の一部地域では、2005年から日本内科学会(のちに医療安全調査機構)が医療関連死を第三者として調査し(医療関連死の調査分析モデル事業)、約200の事例を集積してきた。本シンポジウムでは、長年モデル事業に携わってきた調整看護師や医師が、これらの課題にどのように取り組んできたかも検証したい。事故調査における院内または第三者機関のあり方と特徴をよく理解した上で、すべての医療関係者と国民(遺族)が協力して、今後の医療事故調査活動が適切に行われ、本邦の医療安全レベルの向上に寄与することを強く期待したい。

 

 

11月24日(日)13:00~14:00
シンポジウム11「真に有効なダブルチェックを考える」

  座長: 我妻 恭行(東北薬科大学 薬剤学教室 准教授)
  演者: 「有効なダブルチェックを目指した取り組み」
 山崎 香織(広島大学病院 医療安全管理部)
  演者: 「真に有効なダブルチェックを考える~注射薬ダブルチェックトレーニング実際と評価~」
 大島  誠(総合病院国保旭中央病院 看護部)
  演者: 「調剤業務における薬剤師の視点挙動から調剤ミスを考える-視点計測機を用いた調剤ミスの要因解析-」
 中村 浩規(国家公務員共済組合連合会 東北公済病院 薬剤科)
  演者: 「ダブルチェックの有効性を高める要因を考える」
 田中 健次(電気通信大学 大学院情報システム学研究科)
    趣旨目的
    医療現場では実施前の確認行為として指差確認、ダブルチェック、復唱等が推奨され、その時々の状況に応じて実施されている。特にダブルチェックに関しては、準備者と確認者が異なるため比較的確実な確認方法として定着している。しかしながら、インシデントレポートでは、「実施前にダブルチェックで確認したけれど、・・・・」との報告が絶えない。そこで、本セッションでは「ダブルチェック」に焦点を当て、様々な方法がある中で、より確実な方法について参加者とともに議論したいと考えている。具体的には、演者には確認行為について科学的に解析した研究事例と臨床現場での改善事例を紹介してもらい、ダブルチェックの落とし穴や有効な方法について議論したいと考えている。もう一つの目的として、本セッションでは、医療安全に関する科学的な研究成果を臨床現場の改善活動に結び付けて考える切っ掛けを提供したいと考えている。

 

 

11月23日(土)16:20~17:20
ミニシンポジウム1「マイナンバーとアウトカム指標」

  座長: 落合 慈之(NTT東日本関東病院 院長、GS1ヘルスケアジャパン協議会会長 )
  演者: 森田  朗(学習院大学法学部 教授、中央社会保険医療協議会(中医協)会長)
  演者: 近藤 達也(PMDA理事長)
    趣旨目的
    マイナンバーを医療の分野で展開するには特別立法が必要である。全国共通の一患者一カルテ実現は一つの理想であり、何処の医療機関からも参照できるようになれば患者さんにとっても医療者にとっても有意義だと思われる。しかしながら情報漏えいを危惧する意見があるのも当然であり、セキュリティ保持には万全を尽くさなければならない。薬の副作用情報はその患者さんに紐付く臨床情報 があってこそ将来に活かせる有効な情報となる。マイナンバーは一つの手法に過ぎないが電脳時代においては情報漏えいに万全の対策を施すことを前提にすると薬の副作用情報の収集とトレーサビリティ、創薬に必要な臨床情報の収集、医療資源の適正配分などに活用できる有力な方法であると考えられる。このセッションでは世界標準を念頭に置き、マイナンバーを一つのキーワードとし医療のアウトカム評価を視点にいれた議論を展開していきたい。

 

 

11月23日(土)16:30~17:30
ミニシンポジウム2「学際研究推進委員会「入門講座」報告:『最後のN週間を考える』」

  座長: 原田 悦子(筑波大学人間系心理学域)
  座長: 三井 さよ(法政大学 社会学部)
  演者: 三井 さよ(法政大学 社会学部)
  演者: 須藤  智(静岡大学)
  演者: 阿久津靖子(株式会社MTヘルスケアデザイン)
    趣旨目的
    「在宅医療」という言葉が急速に社会に広まる中,実際にその状況に相対し,「自ら問題解決と意思決定を求められる」患者,家族からは多くの不安と疑問の声が聞こえはじめている.従来の病院中心の医療から,在宅や入所施設を含めた医療へと移っていくためには,患者・家族を含めて進めていく医療を形作っていく必要がある.そのときに必要とされる情報・支援とは何か,患者・家族の視点から検討をしていく必要があり,そのためには,医療以外の多様な領域と手に手を携えた学際的研究・実証が必要とされていると考えられる.そのような問題意識から,2013年9月7日に第7回学際的医療研究入門講座(シンポジウム)を開催し,「最後のN週間」をいかにデザインしていくか,その際に検討すべき問題は何かを検討した.その成果報告を元に,在宅へと移行する医療における「医療の質と安全」をどのように考えていくか,さらに議論を展開していく。

 

 

11月23日(土)14:20~16:20
ワークショップ1「看護基礎教育において医療安全をどのように教えるか」

  座長: 井部 俊子(聖路加看護大学)
  座長: 小林 美雪(山梨県立大学看護学部)
  演者: 「医学教育における医療安全教育の実際と課題
(WHIO患者安全カリキュラムガイドラインをふまえて)」
 江原 一雅(滋慶医療科学大学院大学)
  演者: 「看護基礎教育における医療安全教育の取り組みの現状と課題」
 衣川さえ子(国際医療福祉大学 小田原保健医療学部)
  演者: 「WHO患者安全カリキュラムガイドの医療専門職の基礎教育への活用について」
 相馬 孝博(公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院)
    趣旨目的
    近年の急速な少子高齢化の進展、医療技術の進歩という社会的環境の変化の中で、医療機関における医師や看護師等の業務はますます複雑化および多様化している。一方では患者国民の医療安全への関心が高まり、医療者の安全意識の向上が求められている。従来、職種別、階層別に行われてきた医療安全の基礎教育もWHOのガイドラインにより世界標準が示されたのを機に、基本のコンセプトは医師・看護師等の医療専門職の基礎教育で共有する必要があると考える。医師の教育においてはすでに、WHIO患者安全カリキュラムガイドラインを取り入れている教育機関もある。看護教育においても、2007年に改正教育課程の「統合分野」に「医療安全の基本的知識」が教育内容として位置づけられ、2011年には「安全なケア環境を提供する能力の育成」についての提案がなされ、医療安全教育が推進されてきている。今年度、改正教育課程の卒業生を新人看護師として迎えた臨床現場の方々の評価も含めて、医療安全教育のあり方を世界標準に照らして検討することは意義深い。医療専門職の基礎教育において医療安全をどのように教えるか、本ワークショックでの活発な意見交換が期待される。

 

 

11月24日(日)14:10~15:50
市民公開ワークショップ2
「患者と医療者の情報共有は医療をどう変えるのか(2)~患者参加による情報作成~」

  座長: 丸木 一成(国際医療福祉大学)
  座長: 山内 桂子(東京海上日動メディカルサービス株式会社メディカルリスクマネジメント室)
  演者: 若尾 文彦(独立行政法人国立がん研究センター)
  演者: 中山 健夫(京都大学大学院 医学研究科)
  演者: 松浦 知子(医療の質・安全学会パートナーシッププログラム)
  演者: 曽根 伸治(東京大学医学部付属病院輸血部・検査部)
  演者: 大熊由紀子(「新しい医療のかたち」賞 選考委員会)
  演者: 鈴木 信行(患医ねっと)
  演者: 中島 和江(大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部
  演者: 大谷るみ子(大牟田市認知症ケア研究会)
    趣旨目的
    昨年の第7回学術集会では、「患者と医療者の情報共有は医療をどう変えるのか」と題して市民公開ワークショップを開催し、医療の質と安全を高めるための情報共有の意義を、医療者、患者、マスコミのそれぞれの立場からの話題提供を通して考えた。これを受けて本年は、情報共有を促進するための具体的な「情報」を、どのように作るのかを検討したい。従来、患者に提供される「情報」は、医療者によって作成されることが多かった。しかし、患者にとって利用しやすく有益な情報を作るためには、患者や市民の参加が必要ではないか。中山は診療ガイドラインの作成を例に、患者が「情報」の作成に参加する意義および留意点について、諸外国の同様の取り組みの動向と国内の現状の紹介を併せて解説する。さらに製薬企業を始めとする企業と患者・患者会の関係について今後、検討を必要と思われる課題について述べる予定である。若尾はがん対策情報センターの「患者パネル」において患者・市民と医療者が一緒に「患者必携」などの「情報」を作成した経験をもとに、このような取り組みから得られることや工夫などを紹介する。また、医療の質・安全学会パートナーシッププログラムでは、今年度、患者向け「採血説明書」のモデルを患者と医療者が共同で作成するワーキンググループ活動を行っている.。本ワークショップでそのプロセスと成果について松浦氏が報告する。さらに、これに関連して、すでにホームページ等に「採血説明書」を掲載し、採血についての患者への情報提供を行ってきた東京大学医学部付属病院検査部の取り組みについて曽根氏より紹介いただく。これらの話題提供をもとに、患者とともに医療情報を作ることが医療の質・安全に及ぼす影響、取り組み進展の可能性、また医療現場で患者参加で「情報」を作る際の課題などについて議論する。また、医療の質・安全学会では、毎年「新しい医療のかたち」賞の推薦募集を行っており、「患者を中心とした取り組み」「医療者・医療機関を中心とした取り組み」「地域社会の取り組み」の3部門の多彩な活動が表彰されてきた。本ワークショップでは、第7回「新しい医療のかたち」賞に選考された活動の紹介と表彰を併催する。

 

 

11月24日(日)13:00~14:30
ワークショップ3【超高齢化・多死社会における地域医療での安全の確保】
企画1:「診療所での安全の取り組みとそれを支える多職種合同研修の効果」

  座長: 嶋森 好子(東京都看護協会)
  座長: 小林 美雪(山梨県立大学看護学部)
  演者: 片山 繁樹(片山歯科医院・神奈川県歯科医師会理事)
  演者: 荘司 邦夫(三重耳鼻咽喉科院長・津地区医師会会長)
  演者: 木下 房美(三重耳鼻咽喉科師長)
  演者: 鎌谷 義人(かまたに歯科医院院長・津歯科医師会会長)
  演者: 中川 信之 (有限会社NFP代表取締役・津薬剤師会会長)
    趣旨目的
    近年、病院施設が減少する一方で、無床診療所等の小規模医療機関は増加し続けている。勤務医不足による病棟閉鎖、入院期間の短縮化が進む中で、地域のプライマリケアを担う診療所の役割は、日本の医療において非常に重要となっている。その様な小規模医療機関であるが、診療報酬等の評価がない中で、安全管理体制の整備は十分とはいえず、重大事故が発生している。小規模医療機関であっても発生する事故は病院と同様の有害事象として患者を障害する。小規模医療機関の安全確保は、我が国の安全対策において急務の課題である。当学会でも、これまでも小規模医療機関の安全確保に関する課題の重要性を認識しセッションが持たれてきた。今回の学術集会では、さらに地域の小規模医療機関の管理者とスタッフが連携して安全を確保しているモデルの紹介と、新規に開業する診療所への医療安全研修や多職種医療団体合同での研修効果について発言を頂き、小規模であることの利点を生かし、いかに院内及び地域における安全確保の活動を進めていくかについて、フロアの皆様とディスカッションを行いたいと考える。

 

 

11月24日(日)14:40~16:10
ワークショップ4【超高齢化・多死社会における地域医療での安全の確保】
企画2:「在宅における医療安全」

  座長: 長尾 能雅(名古屋大学医療の質・安全管理部)
  座長: 杉浦 立尚(笑顔のおうちクリニック)
  演者: 網谷 敏数(株式会社高齢者住宅新聞 代表取締役社長)
  演者: 加藤  豊(医療法人豊隆会 ちくさ病院 理事長)
  演者: 三幣 利克(医療法人社団コンパス 理事長)
  演者: 松本 尚浩(笑顔のおうちクリニック 医療安全管理部 学習システム開発責任者)
    趣旨目的
    厚生労働省が1986年を“在宅医療の推進元年”と制定してから20余年が経つが、実際に在宅診療が著しく盛んになったのは在宅療養支援診療所が制定された2006年からである。この時から、在宅診療=24時間、患者の定期管理・緊急管理を行うもの、と定義されている。現在までに在宅療養支援診療所は全国で12,000施設(2010年現在)を超えているがそのうち看取りまで行っている診療所は多くなく、平成24年度の医療・介護の同時保険改定をみても、在宅診療への誘導は依然続いている。このような短い歴史の中で、在宅における医療安全はまだまだ文化として定着しているとはいえない。しかし、実際の在宅医療の現場では、病院と同等かそれ以上に、転倒、誤薬といったインシデント(時にアクシデント)が確実に存在し、その数は決して無視できるレベルではない。懸念されるのは、今後急速に超高齢化が進み、一層の在宅誘導が予測される中、在宅リスクの実情が把握されていないことであり、職員や介護者教育が手付かずとなっていることである。これは在宅に限らず、全国17万の小規模プライマリ医療機関群が抱える課題と同一である。そこで本セッションでは、在宅医療安全の最前線についての報告をシンポジウム形式で行うこととした。知見が少ない中、在宅医療において可能な限り統計学的にデータを収集しているチームや、医療安全の導入を試みている先進的なチームを紹介し、在宅現場における今後の安全文化導入の方向性を探りたい。本セッションは、昨年の第7回医療の質・安全学会のワークショップ「在宅医療の質と安全」からの継続企画であり、また第8回医療の質・安全管理学会のワークショップ「診療所での安全の取り組みとそれを支える多職種合同研修会の効果」との姉妹企画である。多死社会の到来が叫ばれる中、当学会では、在宅医療の安全確保を国民にとっての最重要課題の一つと捉え、今後も注目し、知見を集積していきたいと考えている。

 

 

11月24日(日)9:00~11:20
ワークショップ5「医療の質・安全学会テーマ別ワーキンググループの報告」

  座長: 清水 利夫(国立国際医療研究センター副院長(第8回学術大会会長)
  座長: 上原 鳴夫(東北大学名誉教授)
  演者: 井部 悛子(聖路加看護大学)
  演者: 伊藤 雅治(社団法人全国社会保険協会連合会)
  演者: 山内 桂子(東京海上日動メディカルサービス株式会社 メディカルリスクマネジメント室)
  演者: 大島 伸一(国立長寿医療研究センター)
  演者: 小泉 俊三(財団法人東光会七条診療所)
    趣旨目的
    今年からスタートしたテーマ別ワーキンググループのこれまでの活動および課題整理・提言策定に向けた今後の進め方について紹介し、会員および会場多加者から意見や提案を求める。

 

 

11月24日(日)14:10~15:10
ワークショップ6
「医医療安全と主観的労働負担-これからの医療を支える世代の特徴を理解する-」

  座長: 井部 俊子(聖路加看護大学 学長)
  座長: 相馬 孝博(日本心臓血圧研究振興会付属榊原記念病院 副院長)
  演者: 保坂 隆(聖路加国際病院 精神腫瘍科医長)
  演者: 古川 裕之(山口大学医学部付属病院 薬剤部 部長)
    趣旨目的
    H25年度医療の質・安全学会課題別ワーキンググループ「医療の質・安全の観点からみた業務体制と業務環境のあり方(代表:井部俊子)」では、 医療サービスが安全に行われるための労働環境、職種機能の分化と連携のあり方 に関する基本構想案の作成を目標に、活動を行っている。
医療安全を確保するためには、医療従事者が安全で健康に働き続けられる環境があることが、大前提として必要である。ここ数年、ワーク・ライフ・バランスの推進や、医療従事者の雇用の質改善に取り組む国の動きもあり、職能団体や組織ごとにも、医療者の労働環境改善のための取り組みが積極的に行われてきている。本ワーキンググループでは、現在こうした取り組みの動向をまとめる作業をしている。その作業の中で、これからの医療安全を考える上では、現在行われている取り組みに、これからの医療を支える医療者の「世代的な特徴」や「裁量権の大きさによる主観的な労働負担」などという視点を加える必要があると考えた。そこで、本セッションでは、現在の若者世代を理解するための情報を、ワーキンググループ委員の保坂隆(聖路加国際病院精神腫瘍科医長)より提供する。さらに、裁量権と労働負担について行った調査の結果を同じく委員の古川裕之(山口大学医学部付属病院薬剤部部長)が公開する。それらをもとに、これからの医療安全と労働環境に関して参加者とのディスカッションを行う。


 

11月24日(日)7:05~8:45
医療安全管理者ネットワーク会議
「確実な安全行動を習慣づける等、組織の変革を成し遂げるために医療安全管理者は何をなすべきか」

  座長: 古田 康之(安房地域医療センター 医療安全管理室 セイフティマネジャー)
  座長: 山元恵子(富山福祉短期大学 看護学科 教授)
  演者: 種田健一郎(WHO西太平洋地域事務局 患者安全専門官)
  演者: 佐々木久美子(医療法人財団 慈生会 野村病院 看護部長)
  ファシリテーター:嶋森 好子(東京都看護協会 会長)
  ファシリテーター:甲斐 由紀子(宮崎大学医学部看護学科 教授)
  ファシリテーター:荒井 有美(北里大学病院 医療安全管理室 医療安全管理者)
  ファシリテーター:亀森 康子(自治医科大学付属さいたま医療センター 医療安全管理室長補佐)
  ファシリテーター:杉山 良子(パラマウントベッド株式会社 技術開発本部 上席研究員)
  ファシリテーター:杉浦 立尚(笑顔のおうちクリニック名古屋 院長)
  ファシリテーター:佐藤 景二(静岡市立静岡病院 臨床工学科長)
  ファシリテーター:團 寛子(大阪大学医学部附属属病院中央クオリティマネジメント部 専任リスクマネジャー)
  ファシリテーター:寺井美峰子(聖路加国際メディカルセンターQIセンター医療安全管理係セイフティマネジャー)
  ファシリテーター:山内 桂子(東京海上日動メディカルサービス株式会社・メディカルリスクマネジメント室 主席研究員)
    趣旨目的
    平成25年8月30日に公表された総務省による「医療安全対策に関する行政評価・監視<結果に基づく勧告>」では、医療事故防止対策の推進について3つ、院内感染対策の推進について3つ、その他立ち入り検査に関して1つの合計7つの勧告が出されている。これらの勧告で述べていることは、現場で行うべき改善策の具体的提示であり、その内容の徹底の必要性である。1999年以降行われてきた医療安全対策の検討結果に基づく実践や医療法の改定などを通して行ってきた医療安全対策によって、医療安全確保のために、現場で日常的に行うべきことは、すでに明らかになってきている。医療安全管理者にとって、これらの安全行動について、一定の基準を定めて、現場で実践することを全ての職員に習慣づけるのは重要な課題と言える。このよう組織を実現するために医療安全管理者がなすべきことは何かについて、具体的な事例を提供いただき、参加者とともに考えたい。


  11月24日(日)9:00~11:30
パネルディスカッション1
「医療分野の「雇用の質の向上」に関する報告書と労働環境の改善の推進について」
  座長: 嶋森 好子(公益社団法人東京都看護協会)
  座長: 荒井 有美(北里大学病院)
  演者: 中野 孝治(厚生労働省)
  演者: 酒井 一博(公益財団法人労働科学研究所)
  演者: 近森 正幸 (社会医療法人近森会近森病院)
  演者: 池田惠津子 (吹田病院看護部)
  演者: 保坂  隆(聖路加国際病院精神腫瘍科・日本医師会勤務医健康支援委員会委員長)
  演者: 松月みどり(日本看護協会 常任理事)
    趣旨目的
    2003年に米国医学研究所から、「患者の安全を守る(邦訳)」とした報告書が出された。この報告書は米国の医療機関において看護職の労働環境の改善が医療安全のために重要であるとする報告書である。その後、日本においても労働安全衛生の視点から医療安全を図ることが重要であることが認識されるようになった。平成22年6月の閣議で、「人口減少社会における新成長戦略」が決定された。医療分野においては、”「雇用・人材戦略」として、我が国は、少子高齢化が進展し、グローバル化の中にある。その中で、 雇用の「量」の拡大と「質」の向上を図り、だれもが性や年齢、障がいの有無にかかわらず、意欲と能力を発揮し、安心して雇用・社会活動に参加できる活力あふれた「高質な労働市場」を構築する必要がある”とされている。これを受けて平成23年度には、「看護職の雇用の質の向上」に関するプロジェクト報告書が、平成25年度には「医療分野の雇用の質向上に関する報告書」が出された。改めて、医療の質と安全の確保の上からも「医療分野の雇用の質の確保」を推進することが新たな課題となった。平成24年4月から、医政局総務課に「医療分野の雇用の質確保」を担当する新たな部署が設けられた。本セッションでは、厚生労働省でこの分野を担当している中野孝治医療労働企画官から、「医療分野の雇用の質の確保に関するプロジェクト報告書」が出された意義とその推進についてご講演いただく。また、「医療分野の雇用の質確保」に係る厚労科研の研究代表者である酒井一博(労働科学研究所所長)からは、労働科学の視点から、雇用の質確保の重要性とその推進についてお話いただく。続いて、現場で雇用の質の向上に勤めておられる、病院経営者や管理者などから具体的な取り組みについて、また専門職能団体としての取り組みについて紹介いただいた後、演者と参加者を含めたディスカッションを行い、医療分野の「雇用の質確保」を具体的に推進する方策を検討する。


  11月24日(日)14:00~15:00
パネルディスカッション2
「学生・若手医師ネットワーク集会 Change yourself, change your school, change the system. 」
  座長: 遠藤 英樹(独立行政法人国立病院機構水戸医療センター)
  座長: 伊澤  敏(長野県厚生農業協同組合連合会佐久総合病院)
  演者: Jo Inge Myhre(Innlandet Hospital Trust Division Gjøvik)
    趣旨目的
    医療の質・安全への社会および医療者側からの要求が高まる中、日本では学部教育および卒後教育として医療の質改善・安全を学習・体得する場はほとんどない。一部の大学や佐久総合病院など医療のTQM推進協議会の医療の改善活動ネットワークに参加している病院を中心に、限られた施設で医療の質改善・安全の教育および活動が行われている状況である。また、海外も似たような状況であるが、アメリカの質改善研究所Institute for Healthcare Improvement(IHI)がネット上で開いているIHI Open Schoolは、医療の質・安全に関する学習共同体であり、医療の質・安全を学べるオンラインコースを提供している。体系的に基礎知識が習得でき、それら知識の実際の運用も学ぶことができる。オスロ大学の医学生であったJo Inge Myhre氏はIHI Open Schoolを活用し、大学のカリュキュラムに医療の質・安全教育を導入し、全国的に活動を展開している。日本でもIHI Open Schoolオンラインコースの日本語版を作成し、公開していく予定である。日本および海外で医療の質改善・安全に関してパイオニアとして活動してきた2人に、これまでの活動を振り返って頂き、日本の学生・若手医師と今後の展望についてディスカッションを行い、日本の学生・若手医師が医療の質改善・安全の普及の担い手となることを目的とする。




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