ご挨拶
新型コロナウイルス感染症の感染拡大から3年目を迎え、その対応に日夜ご尽力くださっている様々な機関の皆様に、深く感謝申し上げると共に、こころより敬意を表します。
この度、2023年5月28日(日)、東京都江東区の武蔵野大学有明キャンパスにて第25回日本母性看護学会学術集会を開催させていただくことになりました。
2015年9月に国連サミットにおいて、2030年を達成期限とした持続可能でよりよい社会の実現を目指す17の開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)が示されました。「誰ひとり取り残さない(leave no one behind)」というSDGsの理念をもとに、「目標1 貧困をなくそう」「目標3 すべての人に健康と福祉を」「目標4 質の高い教育をみんなに」「目標5 ジェンダー平等を実現しよう」「目標11 住み続けられるまちづくりを」など、私たち看護専門職者にも関係の深い目標が含まれています。しかし、新型コロナウイルス感染症の蔓延・長期化に伴い、貧困やジェンダーの不平等、災害への脆弱さなど、弱い立場にある子どもや女性、その家族の権利や健康、教育、生活などに大きな影響を及ぼす問題がより一層浮き彫りになりました。
一方、感染予防の「3密」回避により、医療や教育、研究においてはICTの活用が急速に進み、情報や情報技術を効果的に活用した新たな方法が取り入れられたことは大きな利点となりました。しかし、人との直接的なコミュニケーションや触れ合いという、看護にとって非常に重要な“ぬくもり”は希薄になっているようにも思います。
そこで、本学術集会のメインテーマは、「誰ひとり取り残さない“ぬくもり”のある母性看護~研究と実践の円環~」としました。学術集会を通じて、新たな時代を生き抜いていくための方法を皆様と考え、行動に移すための機会にしたいと考えております。
本学術集会は、3年ぶりに対面での開催を再開し、オンデマンド配信を併用したハイブリッド開催を予定しております。皆様とお会いし、有意義なディスカッションができますことを楽しみにしております。
多くの皆様のご参加、ご発表をお待ち申し上げております。
2022年8月吉日
第25回 日本母性看護学会学術集会長 坂上 明子
(武蔵野大学看護学部 教授)
