皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び
申し上げます。2005年に高久史麿自治医科大学学長を
理事長として「医療の質・安全学会」が設立されまし
た。これまで、2回の学術集会が開催されましたが、
第3回目の学術集会を、医療安全推進週間に合わせて、
平成20年11月22日〜24日に、東京国際展示場(ビッグ
サイト)で、開催することになりました。設立発起人の
1人として理事に就任しております私が、学術集会長を
勤めさせていただくことになりましたので、ご挨拶を
申し上げます。

 本学会の設立趣旨には、「医療の質と安全をめぐる諸問題は医療に従事する人々が
いっそうの努力を重ねるということだけで解決できるものではなく、医学の枠組みを
超えさまざまな視座と幅広い英知を集めた学際複合的な研究とその知見を実際の医療
に役立てる取り組みの推進を通して、新しい医療のあり方を、システムとして患者本
位の医療の質と安全の保証する仕組みを作り出す必要があり、そのような仕組みを作
り出すための、研究を推進し交流する場として“医療の質・安全学会”を設立した」
と述べております。これまで2回の学術集会は、医療の質と安全をめぐる課題につい
て、さまざまな角度から検討が行われ、医療の質と安全に関わる知識や実践の知恵を
幅広く得られる学術集会でありました。



1999年に日本の医療について、その質と安全の確保が重要な課題であることを、強
く認識させる出来事が生じたことを契機に、医療の質と安全確保の取り組みが進めら
れてきました。第3回学術集会が開催される2008年は、それから丁度10年目を迎える
ことになります。そこで、本学術集会においては、これまでの研究や実践の集積によ
って明らかになっている、医療の質と安全を確保するための“知"を結集して”実践
の革新"に繋げる学術集会にしたいと考えております。また、昨年に引き続きまして
医療安全推進週間公開フォーラムを今回も開催する予定です。

 医療従事者のみならず、さまざまな分野で安全を課題にしている研究者と、医療の
質と安全確保に日々努力している実践者の方々に集っていただき、知の結集と実践の
革新に向けた、学術・情報の交流がなされることを期待しています。


敬 具

医療の質・安全学会 第3回学術集会
会長 嶋森 好子
 (慶應義塾大学看護医療学部 教授)