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今、何故、創造的破壊か?
Time for Creative Destruction...Why now?
 今度、第54回日本医療・病院管理学会学術総会長を拝命致しました。大変光栄ですが、この10年間の本総会の決算状況を調べると、来場者数いかんによっては持ち出しになるようです。また、別途、懇親を深めるべく開催される情報交換会も参加者が100名を切るケースが散見されます。そこで本学術総会のテーマを「創造的破壊」と致しました。と言っても御安心下さい。「本総会をぶち壊す」ということではありません。イノベーションの提唱者のヨーゼフ・A・シュンペーター(1883-1950)にあやかって、新しい価値の創造を模索するものです。この経済発展の理論は今から約100年前の1912年に発表されました。シュンペーターによればイノベーションとは、①創造的活動による新製品開発、②新生産方法の導入、③新市場の開拓に加えて、④新たな供給源の獲得、⑤組織の改革などから成るとしています。まさに創造的破壊はアベノミクスが唱える経済成長の源泉なのです。
 「失われた25年」と言われ、未だデフレ経済から脱却できない日本ですが、生産性向上を目指してギアチェンジしなければ三流国に甘んじてしまうのではないでしょうか。翻って人類史上未経験の超高齢社会に突入するわが国はそろそろ“出羽の神”に頼ることなく自らでその解決策を模索する必要に迫られています。そこで我々は、患者データをお借りして統計的に分析、それを医療機関へフィードバックしたり、政策提言につなげる「病院可視化ネットワーク」を展開してきました。そこで得た知見はこれまで本例会で都合8回に渡って紹介してきましたが「医療の質の向上と効率化の同時達成を目指して」を本総会の副題としたのもその可能性を信じたからです。
 従って、本総会のプログラムも極力、「価値の創造」を目指すものとしています。より具体的には情報交換会に加えて市民公開講座を新たに設けました。
 また、登壇頂く演者やシンポジストもこれまでと一味違った多種多様な方にしております。幸い、500人収容の記念講堂には個々の席にマイクロフォーンがセットされているので、時間の許す限り“異脳”たちと双方向のデベートができればと考えています。
 さらに、新しい試みとして、研究者や学者のみならず医療実務者の発表の「場」も別途、設けましたので本総会の損益分岐点達成に向けて一人でも多くの方に参加頂ければ幸甚です。
川渕 孝一:東京医科歯科大学大学院医療経済学分野教授